心のお話

しんどいなぁと思ったときの解決法 ~その本当の理由は何なのか自分にとことん問い掛けてみる~

 

あなたが何かに対して「しんどいなぁ」って思った時、どうやって解決しようとしますか?。

早く解決したいと足掻けば足掻くほどわけがわからなくなり、そして気づけばもっとしんどくなっている……なんてこともありませんか?

 

しんどいなぁ……と思ったときは、まず、『何に対して』しんどいと思っているか、細かく細かく自分に問いかけることがとても大切になります。

大雑把に今の状態に対してしんどいと思っていると勘違いしがちなのですが、人間ってそんなに大雑把な人間ではないので、きちんと考えてみると、『その中の何か』にしんどいと思っている原因が必ずあるんですね。

私がクライアントさんからご相談を受けるときでも同じです。

「会社に行くのがツラくて……」とご相談をお受けしても、その中には必ず

・仕事の内容がツラいのか
・人間関係がツラいのか(人間関係の中にも上司なのか同僚なのか)
・そもそも会社に行くことがツラいのか

その人なりの理由があるんですね。

それをちゃんとわかっていないと、間違った判断をしてしまいます。

「しんどいなぁ……」と思ったら、自分で「何がしんどいの?」と自分自身に聞くクセを付けてみましょう。

 

私はそういうことに気づいて数年……

なんとなく「しんどい」と思うと必ず自分に「何がしんどいの?」「何が嫌なの?」と聞くようになりました。

 

実は……

私はカウンセラー業の他に、週3回、地元のソロバン教室で講師の仕事をしていました。

始めた同期は
「親子問題の相談をされても、もう私は子育てがほぼ終わってしまった。今どきの子ども事情もわからないぞ……」
と思い、子どものいる世界に行くことで、今どきの子ども事情、今どきの親子事情を知りたいと思ったからです。

始めた当時は今よりも忙しくなかったので、週3回のソロバン講師もさほど負担ではありませんでした。

ところが、今年に入って始めた当初とは比べ物にならないくらいの忙しさになり、少しずつ講師の仕事をして行くのにも負担を感じていました。

私は、回数を減らしたいこと、私に代わる人が入れば辞めてもいいと思っていることも上に話してはいたものの、なかなかそれが実現されることもなく……

 

そうこうしているうちの、先月の入院でした。

生まれて始めて救急車で運ばれたまま緊急入院……なんていう経験をし、その時に「過労・過労」と何人かに言われ、それまではなかなか決意できなかった講師の仕事の退職をいとも簡単に決め、入院中に退職の意向を取り急ぎメール連絡しました。
(本来このような連絡はメール済ませてはいけないことはわかっていますが、入院中であったこと。急いで連絡しなければ6月が終わってしまうのでキリが悪くなってしまうこと。本社は都内にあるため、教室と離れていて本社の人とはまめに顔を合わせられずほとんどがメール連絡であったこと……等の理由により、今回はメール連絡を選択しました)

 

退職の意向は受け入れられ、サッパリ……したはずなのに、何かが私の心の中で「しんどい」ってつぶやき始めました。

そうつぶやき始めてからは、安堵や安心などより、どんどん「しんどい」という気持ちの方が強くなって行きました。

今まで自分の身体がしんどくて、退職を望んでいたのに……です。

 

私はその「しんどい」について、自分に何がしんどいのかを問いかけてみました。

可愛がっていた子どもたちと離れることが寂しいというのももちろんあったのですが、それとも違う。

なんだろう、このサッパリしない重たい気持ち……。
そして気づいたのが、私が抜けてしまうことによる残った講師への負担の部分でした。

正直、教室は人手が足りておらず、私が抜けたら、あと一人倒れてしまったらパンクしてしまうのではないかというくらい忙しい日もあります。

新しい人を入れるために求人は掛けてくれたらしいのですが、すぐに新しい人が入って来ないのは経験上わかっています。

また、入ってきたとしても、「はい、明日から教えてください」とできないのもわかっています(研修に2ヶ月くらい掛かります)。

入っても、「合わない」とすぐに辞めて行った講師がいたことも聞いています。

 

などなどを考えたとき、みんな「もう倒れられない」「休みたいときにどうしよう」などという負担がとても大きくなることが容易に想像できました。

私にとっては、そんな容易に想像できる状態を残して、
「私がしんどいので、ハイ、さようなら」
という選択をすることが、私にとっては楽になることではないと強く自覚したのです。

でも、今までのように働くのは、今まで無理し過ぎて来てしまった分、本当にしんどい。

どうすればいい……?

私は考えた挙げ句、上司にダメ元でと思って連絡を入れました。

物事、ゼロか100しかないと思いがちですが、色んなことに20や30でいいことがあります。

なので、私も
「今までのようにやるか、辞めるかだけでなく、講師たちが休みのとき、人手が足りないときだけのヘルプ要員として、ピンポイントのバイト要員で在籍しているわけにはいかないか?」
ということを投げかけました。

それを伝えて、ダメならダメで良かったんです。

伝えずに、「どうせ言っても無駄だよな」と決めつけて言わずにいることが嫌だったんです。

そしてダメ元で私が入れた連絡は……
とても喜んでOKしてもらうことができました。

今までは私も他の講師と同じようにシフトを出して授業に入っていました。

でもそれは本当にしんどくなってしまったので、入る回数は必要最低限。

今までやっていた事務作業も引き継ぎをし、授業補助だけに入ることにしました。

これで私の負担は10分の1くらいになり、でも、他の講師たちも「人がいなくてどうしよう」と考えずに休むこともできるし、どうしても人手が欲しいときに頼ってもらうこともできる。

私の中の何がしんどいかの理由をハッキリさせ、それを解消するためにはどうしたらいいかを考え……

自分がこれだったら解消できると思ったことを、伝えるべき人にダメ元でいいからと思い切って伝えてみたら、予想以上に皆が丸く収まる結果を生み出すことができました。

 

この結果は、私が自分のしんどさの理由に気づかなければ、ただ「辞めるのが寂しいんだろうなぁ」とか、ちょっと方向違いのことを思い込んで、「それはそれで仕方ないよね」なんて自分を言い聞かせてしまって終わらせてしまったかもしれません。

自分の心のしんどさの正体がわかったからこそ、それをどうすれば解消できるか……ということを考えられたから、自分を助けるための行動ができたのです。

 

何かに対してしんどいと思った理由は、冷静に考えてみると決してひとつではありません。

親がうるさくてたまらない
夫(妻)となんとなくしっくり行っていない
会社に行きたくない
仕事が嫌だ

人が悩みを口にするときってそんなザックリした理由を語りますが、その中にはまた必ず細かい理由が隠れているのです。

その正体は本当は何なのか……きちんと自分で細分化して、『本当の理由』をわかるようにして初めてきちんとした解決策が見いだせるようになります。

 

何か悩んだときは、必ず自分に
「なんで?」「どうして?」「どうしたい?」
と尋ねるようにしてください。

そうすることで、必ず、自分で自分にきちんと答えを教えてくれるようになりますから。

 

 

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