実は、人の相談事を聞くときに、これは押さえておきたいという鉄板法則があります。
これを知っていると、カウンセラー以外のどんな職業の人も……いや、どんな場面でも役に立つので今回はそれを皆さんにシェアしますね。
先日のカウンセリング講座で、質問の仕方を勉強しました。
その時のやり取りがとてもいい参考になるかなと思うので、コレを例にとってお話していきます。
今回、「朝起きられなくて困っています」という相談に、どう質問するか……ということを勉強しました。
因みに、このテーマはよくカウンセリング勉強会でも投げかけるテーマです。
これはお子さんから悩みを相談されたときにも全く同じように使えるので、よーく読んで理解していただくととても役に立つと思いますよ~^^
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]朝起きられなくて困っています」っていう相談が来たら、まずはなんて質問する? [/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="L-2.png" name="生徒さん"]うーん。夜起きていないかというところと、貧血持ちじゃないか……ですかねぇ [/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]すごいところにすっ飛んで行ったねー(笑) [/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="L-2.png" name="生徒さん"]え……? [/speech_bubble]
皆さん、これじゃ何がダメなのかわかりますか?
生徒さんが答えてくれた質問内容は、話の後半になったら聞いてもいい内容なのですが、一番最初に聞くことではないんです。
「人によって聞く順番なんて違っていいんじゃないの?」
と思いますか?
いやいや、ここには鉄板法則があるんですよ。
それはもう少し待っていただくとして……(←引っ張るよーw)
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]んとね。これを聞くのは医者。この質問は医者の見方なんだよねー [/speech_bubble]
私が言ったこの意味はわかりますか?
質問の仕方で、聞き手がどういうスタンスで相手の話を聞こうとしているかも簡単にわかってしまうのですが、
「夜起きてしまうの? 貧血があるの?」
これは、この人の症状だけを見ようとしてしまっています。
そして、その症状だけを改善しようとするということは、対症療法ができればいいという考え方なんです。
つまり症状に対して、どうアプローチしようかということしか考えていないので、これでは根本解決はできないということになるんですね。
症状のことを聞くのは構いません。
それに対するアプローチ(対症療法)を考えることも大切なことなので、色々話した後にこのことを聞くのだったらもちろん構いません。
でも、根本解決を目指すためには、症状よりも何よりも
その人に何があってそうなったのか
に興味を持つことが一番大切なのです。
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]さて、ここまでわかったら、何て質問しようか? [/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="L-2.png" name="生徒さん"]う~ん。。。
どうしてそうなったと思いますか? かなぁ…… [/speech_bubble]
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]うん、まだ飛んでるねー。「どうしてそうなったのか」って聞くってことは、もうあなたの中で、この人の苦しみに対しての状況を把握できているってことになってない?
この人が何で、どのくらい困っているかとか、そういう情報はわかってる?
まだこの人の情報は「眠れなくて困っている」しかないんだよね? [/speech_bubble]
何のために質問するかというと、質問に答えてもらっている間に問題の原因に行き着きたいからなんですね。
でもまだこの人の情報は「眠れなくて困っている」しかありません。
なのに「どうしてだと思いますか?」と聞くということは、状況把握をすっ飛ばしています。
すっ飛ばしているということは、聞き手がすでに把握できちゃっているということになります。
把握できちゃっているというのは、聞き手のフィルターを通して勝手に解釈しているということなんですね。
これではアウトです。
人の相談を聞くときには絶対に、自分のフィルターを通して勝手に判断してはいけません。
さて、ではあなたは何を質問しますか?
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]一番最初に聞きたいのはね……
「いつからですか?」
なんだよ[/speech_bubble]
何かを相談されたとき、それに困りだしたときはいつからなのか……。
まずはそれを一番に聞いてください。
何が知りたくてそれを聞いているのか、わかりますか?
その頃にこの人に何があってそうなったのかを知りたいからです。
それは心の悩みだけでなく、身体の症状などでも同じですよ。
必ず、原因を探すための質問をします。
そのためにはまず、困り始めた時期を知りたい。
そしてその次は……
[speech_bubble type="drop" subtype="L1" icon="fumie.png" name="ふ~みん"]そしてその次に聞くのは
「その頃に何かあった?」「心当たりある?」
だよ。[/speech_bubble]
物事が起きたとき、「それがいつ頃からなのか」そしてその頃に「何かあったのか」をまず把握することで、その人の困っている状態になった原因を探すことができるんですね。
「起きられない」ということは、起きたくない理由があるからです。
学生さんだったら学校に行きたくない理由があるんだろうな。
会社勤めの人だったら会社に行きたくない理由があるんだろうな。
という想像は容易につきますよね?
「朝起きられない」と相談して来る人というのは、本人がその原因に気づいていないから相談に来るのです。
その原因を気づかせるために、「いつから?」と聞くことで、朝布団から起き出したくないほど「会社に行きたくない」と思う理由が、その辺りで何が起きて決定的に行きたくなくなったのかを考えることができるようになり、自分で気づくきっかけとなるのです。
この話をしたあと生徒さんが
[speech_bubble type="drop" subtype="R1" icon="L-2.png" name="生徒さん"]そういえば、この間子どもが困ったことを話して来て、私、あれやこれや散々言った後に、「いつから?」と聞いたら「○日前」「その日、何があったのよ?」「あ!あの後からだ!」「じゃ、これが原因じゃない!」ってあっという間に終わったんです。[/speech_bubble]
と話してくれたんです。
ほーらね^^
あれこれと、あーでもない・こーでもないと言ったり聞いたりするより、「いつから?」「そのとき何があった?」と聞くだけで、そうなった原因が簡単に見つかってしまうことも少なくないんです。
これは離婚問題とかでも、親子問題でもなぁんでも同じ。
例えばパートナーのことが嫌になって別れたいと思うようになった。
それはいつ頃から、なにがあってそう思うようになったのか……
ということを聞くことによって、その人の苦しみの度合いがやっとわかるようになり、何を解決して行けばいいかのヒントになって行くのです。
本当に、相手の悩みをきちんと把握するまでは、もっともっと質問しなければいけない項目はたくさんあるし、出てきた言葉を引っ掛けなければいけないポイントも山程あります。
でも、相手の痛みや困っている状況を把握したいと思ったら、まずは
「いつから。そしてその頃に何かあったのか心当たりはあるか?」
を聞いてみてください。
「心当たりはないんだけど……」
と答えられたときは、その人が感じないようにしていたり、忘れていたりしている可能性もあるので、そこでまたバンバン質問して、その人の中で何が起きたのかに興味を持ち続けて聞いてください。
自分のフィルターは必ず外し、自分の予測で「この人はこうなんだろうな」と思い込むことがないよう注意し、必ず、相手の言葉だけで答えが全部書き記せるくらい、質問をして状況を話してもらってくださいね。
相談された悩みにアドバイスするのは、それだけの聞き取りをして情報を集めて、それからです。
私は『楽イキ!』のカウンセリング(深層心理診断)をするときは、1時間の聞き取りをするんですよ。
聞くことに集中しての1時間。
それはそれは多くの情報を話してもらい、そしてやっと、その人の気づかぬ原因にたどり着いて行くことができるのです。
今日お話した、この順番を守ってもらうだけで、誰でも上手に人の相談に乗ることができるようになります^^
特に、お子さんがいらっしゃる人は、是非、家庭で練習してみてくださいね。
お子さんのことが今まで以上にわかるようになるかもしれませんよ( ´∀`)