最近、弁護士の問題に関する記事をいくつか目にするようになって来ました。
私は長年離婚問題を多く扱って来たので、複数の弁護士さんにお世話になって来ています。
また自分自身も過去に夫が不当解雇にあい、その時に弁護士に依頼したことがあります。
そんな数々の経験から、いい弁護士を見つけるにはどうしたらいいか、弁護士に対してどういう心構えをした方がいいのかをお話しますね。
一番思うのがね。
みんな、高い着手金を払うのに、なんでそんなに簡単に依頼する弁護士を決めてしまうの?ということです。
私、過去に何件も「弁護士に依頼しているのだけれど、こんな風に進められてしまって納得できない」という相談を受けています。
で、どうやってその弁護士を見つけて依頼したかというと、大体は親族や知人の紹介でとか、ネットで見つけてとか、無料相談の弁護士に……なんて感じで自主性のない依頼の仕方をしているんです。
で、後になって「弁護士に困っている」という相談をいただいても、こちらとしても頭を抱えるだけなんですよね。
それでも私はプロですから、そんな中でどうしたらいいか、精一杯のアドバイスをしますよ。
一番簡単なのはもちろん弁護士を代えることだけれど、こちら都合となると着手金を返してもらえるケースなんてそんなに多くのはないので、かなり余分にお金が掛かってしまうんです。
できるだけ余分なお金を使わないこともアドバイスしている私としては、簡単にそんなことはさせたくない。
だから、依頼する時に慎重になって欲しいんですね!
世の中『カウンセラー』と言うと、どんなに真っ当に商売していたって「大丈夫なの?怪しくないの? なんたボッタクられるんじゃないの?」と言われます。
あのね……
ロクな仕事もできなくて、平気でボッタクっている弁護士なんて山程いるんだからね!?
私なんて、HPに記載している料金しかいただきません。
いや、HPに延長料金とか記載していたって、実はいただいたことがありません。
一見高い金額に見えるかもしれませんが、それ以上の金額はいただきません。
私に払う金額が数十万円になることなんて、ほぼないでしょう。
(離婚調停→裁判となって数年間のお付き合いになってしまう場合、総額が多くなってしまうことはありますが)
でも、弁護士費用はどんなに安く見積もっても着手金だけで20万~30万掛かるんです。
そこに実費も掛かるし、お金が取れれば取れた分、支払う金額も増えます。
そんなに大金を支払うのに、どうして『弁護士』という名称だけで簡単に信じてしまうのですか?ってことです。
医師や弁護士など……権威に弱い日本人ですが、いい加減、本質を見極める目を養って行きましょうね!
まぁ、そんなこと言ってもどんな人でも、プライベートで家族や友人に弁護士がいない限り、弁護士との接点なんてそんなにないもんね。
突然、弁護士に依頼しないと!なんてことになったら、そりゃー緊張もするでしょう。
実は私が『離婚カウンセラー』っていう資格を取得しようと思ったのも、自分が離婚しようと思ったとき、当時28歳だった私にとって、弁護士とか裁判所というその名称の響きだけでも怖くて近寄れなかったからなんです^^;
なので今回は、今後、絶対に弁護士で失敗しないようなアドバイスをさせていただきますね!
人がいいと言う弁護士が自分にもいいわけじゃない
医者でもカウンセラーでもそうですが、弁護士ももちろん相性が大切です。
誰かに「いい弁護士いない?」と聞いて紹介してもらっても、その人がいいと思った弁護士が自分にとってもいい弁護士かどうかは会って話してみなければわかりません。
過去の例で、お父さんが勧めてくれた弁護士がどうも合わなくて……と悩んで相談くださったクライアントがいましたが、紹介ってなかなか断れないのも難点なんですよね。
紹介してもらったとしても、すぐにその人に決めてしまうというのが一番危険です。
よーく話してみて、自分と相性が合うかどうかを判断して決めてください。
まずは自分がどういう結果を得たいのか、それをきちんと考えてから依頼する
弁護士に依頼しなければというような状況のとき、よく弁護士に
「どうしたらいいでしょう!? どうしたらいいんですか!? なんとかしてください!!」
などと泣きつこうとする人がいますが、弁護士は、貴方の人生をどうこう指南する役割ではないのですよ。
弁護士は飽くまでも、貴方が得たい結果のために貴方の代わりに闘ってくれる役割なのです。
その弁護士に安心して依頼するためには、自分がどういう結果を得たいのか、きちんとその方向を決めていなければいけません。
テレビを観ていてわかると思いますが、弁護士の見解というのはひとつではありません。
自分の得たい結果に対して「できますよ」という弁護士と「それはできません」という弁護士がいます。
「それはできない」と言われても簡単に諦める必要はなく、自分の得たい結果に向かって頑張って努力してくれる弁護士を探す努力をすれば何人めかでそういう弁護士に出逢える可能性は大きいのです。
だからといって、なんとなく軽く安く請け合いしているんじゃないの?と感じる弁護士も少し疑って見る必要があります。
一番信頼できる弁護士は、100%要望通りにならないとしても、それをきちんと説明した上で
「ここは無理かもしれないけれど、できるだけ貴方の要望に添えられるよう努力します」
と言ってくれる弁護士です。
自分の気持ちに寄り添ってくれるかどうか、弁護士選びにはそれが一番大切なのです。
すぐに依頼せずに何件か相談のみに行ってみる
弁護士事務所を訪れるときは、弁護士に依頼する気満々ではなく、まずは「法的見解を聞きに行く」という意識で行きましょう。
弁護士事務所では必ず、1時間いくらなどの相談料が決められています。
大体、私と同じくらいの値段……30分で5000円くらいで決められているところが多いです。
予約を入れる際に、ハッキリと相談料を聞きましょう。
その場で依頼すると相談料は無料になるけれど、その代金をケチるためにって、簡単に依頼契約してしまってはダメですよ!
うちが裁判のために弁護士を依頼するときも3件の相談に行きました。
そのうち最初の1件は、なんと知り合いの、離婚相談でお世話になっている弁護士の先生。
本当なら、その先生に依頼できるのが一番早いですよね。
気心も知れているし……。
では何故その先生に依頼しなかったの?と言うと、「うちはこの結果を得たい」と言ったことに対し、その先生は「それは難しいかも」という結論を出したからです。
加えて先生自身が「自分は労働審判は得意ではない」ということも口にしたので、だったら他の弁護士に依頼した方がいいと思い、他を当たったのです。
結果、もっと近くでいい先生が見つかりました。
ネットに書いてあることだけで判断しない
誰でもそうだけど、ネットでなんていいこと書けますよねー。
得意じゃくたって、得意とだって書けちゃいます。
カウンセラーの世界もそうだけど、大したカウンセリングもできないくせに、立派なこと書いている人なんてたくさんいます。
だから、ネットで書いていることだけで「依頼する!」と決めてしまってはダメです。
必ず生で会って経緯を話して、「こういう事件は得意か?」ということを聞きましょう。
ネットでは『離婚・労働・借入金・少年問題・民事・刑事』なんて羅列されていても、そのどれが得意とか、必ずありますからね。
疑問があったら必ず質問すること!
って簡単に言われても、聞きづらいよね……。
弁護士ってなんであんなに早口で専門用語をペラペラ話すんでしょうね。
「あんたは頭が良くてわかっていて当然だろうけど、素人は何にもわからないっちゅーねん!」
っていうこと、多々あります。
そんなときは怖がらずに聞きましょうね。
あなたはお客様なのですよ?
依頼人なのですよ?
弁護士は自分の『代理人』なのですよ?
その意識を忘れてはいけません。
相手も人間です。『先生様』ではありません。
わからないことはわからない。
理解できないことはできないときちんと伝える意識が大切です。
無料相談の場で、その弁護士に決めるのは危険
弁護士=高いというイメージがありますが、世の中にはお金のない人にも弁護士相談できるシステムがいくつかあります。
その中で一番利用しやすいのが地域の無料相談です。
が! 地域の無料相談は正直、もう何十件もの苦情が耳に入ってきていています。
言っちゃぁ何ですが、「無料相談は役に立たない。無料は無料なり」というのが通説ですし、私もその通りだと思っています。
うちで弁護士を依頼しようと思ったときも、隣町の弁護士会の無料相談に行ってみました。
出てきたのは新人弁護士。
私が相談したことに対して、私の目の前で「えーっと」と六法をパラパラ……。
その間に私が「それってこの法律ではこう言っているからこうですよね?」と話したところ、
「工藤さん、私より詳しいですね」
って、おい!ヽ(`Д´)ノ
でもそんなもんなんです。
過去のクライアントで離婚しようかどうしようか迷って市の無料相談に行ったら、やっぱり六法をパラパラめくって
「貴方の言っていることは、この項目のどれかに当てはまりますか? 当てはまらなかったら離婚できません」
と答えられたそう。
こんな対応で物事が解決できると思いますか?
でもこれが実情なんです。
法テラスに出ている弁護士さんもベテランで忙しい弁護士さんなんてまず期待できません。
万が一そんな弁護士さんが対応してくれたとしても、その人が本当にあなたと相性が合うかなんてわかりません。
「わからないから、そこで適当に見繕ってもらえばいいや」
なんていう気持ちだけは持たないでくださいね!
お金がなくても上手に依頼できる術を知っておく
お金がないときに弁護士依頼に役立つ『法テラス』。
http://www.houterasu.or.jp/
この存在はもう有名ですね。
多くの人が誤解しているのですが、法テラスを利用するためには、まずここに相談に行き、そして弁護士を紹介してもらわないと行けないと思っています。
が! それは間違いです。
法テラスを利用できるかどうかは、弁護士に直接聞いてみたり、HPにもその旨が記載されている事務所もあります。
利用できると表記されていたり案内されていた場合は、その事務所に直接相談に行き、そこで法テラスを利用する手続きを取ってもらうことができるのです。
つまり、どんな先生に当たるかわからない法テラス利用ではなく、気に入った先生に法テラスを利用して依頼するということが可能になるのです。
私はお金のないクライアントさんたちにが弁護士を依頼したいという場合は、知っている先生をご紹介して法テラス利用を申し出ます。
私が依頼をお願いする弁護士事務所は東京都内と埼玉県内に数件ありますが、どの事務所も法テラスが利用できる事務所です。
こういう情報をきちんと覚えておくと、不安が少なくなりますよ。
弁護士に依頼する前にカウンセラーに相談する
結局、落とし所はそこかーい!って話ですが(笑)
いやいや、コレ、大切なことなんです。
私はクライアントさんが「弁護士に依頼したい」とお話されても、必ず着地点を決めるまでは簡単に依頼を勧めません。
自分の意志がフラフラしている時に相談に行っても、弁護士にやりやすいような提案をされるのがオチなんです。
先日もこんな例がありました。
もうクライアントさんの意志は固まっていて、すぐに弁護士に依頼して手を打ちたかった。
なので、それを相談に行ったのだけれど、弁護士の先生は「もう少し待った方がいい」と言ったんです。
この弁護士の先生は私がいつもお世話になっている先生。
私はクライアントさんからご希望いただけば、離婚などの民事に強い以前からお世話になっている弁護士の先生をご紹介しています。(紹介料などはいただいておりません)
長年お付き合いいただいている私は、先生にこちらの希望をどんどん伝えていきます。
弁護士・クライアント・カウンセラー(私)の3人で、どうやったらクライアントの希望に添えるのかを考えて行くのですが、クライアントから経緯を聞いたあとは、ほぼ、私と弁護士の先生との協議になります。
というのも、やはり弁護士の先生が「こうだよね。こうした方がいいよね」と言い始めると、それに対してクライアントさんはどんどん何も言えなくなってしまうのです。
そこで私は
「ねぇ? 先生。
クライアントさんはこう望んでいるから手を打ちたいのだけど、それをしてもらうのはどうしても無理なの? クライアントさんはもうそれで気持ちが固まっているのに?」
と詰め寄りました(笑)
そして、その場でクライアントさんにももう一度確認。
「いいんだよね? ここで先生にお願いしてましったらお金も掛かるし後戻りもできないよ? それでいいんだね?」
弁護士事務所内で、弁護士に依頼していいのかどうかを確認するんですよ。
きっと私にしかできない技です(笑)
そして、結局はクライアントさんの希望通り、すぐに手を打ってもらえるような契約ができました。
クライアントさんは、弁護士事務所に行く前に散々私に「考えろ、考えろ」と言われていたので、もう弁護士に会う時点で迷うことはなかったんですね。
弁護士に依頼するって、もちろんとても急ぐことが必要な場合もありますが、それでもやっぱりきちんとした判断力って必要なんです。
だからこそ、冷静に判断し、弁護士ともきちんと交渉できるカウンセラーが間にいるってとても効果的なんですよ。
弁護士に頼む前にカウンセラーに相談する利点はコチラの記事にも書いています。
離婚相談時の弁護士とカウンセラーの明らかな違いとは?
こちらもよくご覧くださいね。
とは言っても弁護士同様、カウンセラーも、残念ながら偽物や知識不足な人が多々います。
この前の項でご説明した法テラスの利用法。
こんなことを知っていてきちんと説明してくれるカウンセラーも実はとても少ないんです。
だからこそ選ぶ目が大切になります。
自分の人生を左右することを相談するのだ、依頼するのだという意識を忘れず、物事の決定権は必ず自分で持てるようにしましょう。
結局それが、一番自分の身を護るためになるのです。