どんなに自信満々に生きているように見える人でも、
「自分のこういう性格が厄介なんだよな~」
と思うことのひとつやふたつはあると思います。
特に、病んでしまうような人はとても生真面目で不器用だからね。
もし自分がネガティブな性格だということが嫌だったら、
自分もポジティブにならなきゃいけないと強く思い込んだり、
自分があまりにもキチッとしている性格なのがちょっと窮屈で、
ここがゆるめられたら少しは楽になるんじゃないかな~と思ったら、
なんでここがゆるめられないんだと思い悩んだり……。
そんな風に自分を
「ここが悪いんだってわかっているのに、変えられない自分が悪なんだ!」
と思い込み、攻め、そしてどんどん出口の見えない迷路に入り込んでしまう人が多くいます。
カウンセリングの時には必ずというほどクライアントさんに言うのだけれど……
あのね……
それが『あなた』でしょう?
30年も40年もその性格を大事に大事に育てながら生きて来たんです。
しかも生まれ持った性格に加えて、生活環境という添加物のお陰で、もっともっと強固にその資質を磨き上げて来てしまったの。
だもん。それが一朝一夕に、そんなに簡単に別人のように変わるわけないじゃない(笑)
生きづらさを解消するために考えなきゃいけないのは、自分の特質を変えなきゃいけないってことじゃない。
それがとても苦しいのであれば、いつどこから、こんなに自分を苦しめるようになってしまったのだ? なんでそこに縛られているのだ? という原因を見つめ、これから先、この特質をどう面倒見て行けばいいのだ?ということを考えるだけです。
それが私のカウンセリングで行っていることです。
ネガティブなのは悪じゃない。
人に対して弱いのも悪じゃない。
人前が苦手なのも悪じゃない。
こうすべきと強く思い込んでしまうのも悪じゃない。
『悪』なんじゃなくて、自分がそれにちょっと困っているだけ。
これから先、それを上手に面倒見られれるようになればいいんです。
私がいつもクライアントに
「変えようと思わなくていいんだよ。変えるなんて無理なんだから。あなたがそういう性格なのはしょうがないでしょう?」
と言うと、
「え? これを変えなくていいんですか?」
と嬉しそうな顔をして言います。
そのくらい、「困った性格(特質)は変えなきゃ(直さなきゃ)いけない」っていう考え方が蔓延し過ぎていて、そういう思い込みが強い人が多いんですよね。
それで簡単に変えられない自分を責めて、また具合が悪くなったり落ち込みがひどくなったりする……。
こんなの本末転倒です。
相談業をしている人が、ここをミスリードしている人、いっぱいいますよね。
カウンセラーは、「この人が本当は、自分の気づいていないどんなことに苦しめられているのか」をきちんと見極められないと、クライアントを尚更迷子にして苦しめます。
私はそういう人を何人も見てきました。
本質的な問題は目に見えないところに転がっているものです。
そこをちゃんと見極めないで、「ここが悪いから変えなきゃ(直さなきゃ)」と思い続けるのは、なんの根本解決にもならないことですからね。
あなたはそういう性格なんだから、困った感情だろうが何だろうが、そう思っちゃう(感じちゃう)のは仕方ないの!
そんなに簡単に、人の性格なんて変わんねーから!
変えられるのは受け止め方と考え方と自己解決力。
どうぞ、そこを養うことを考えてくださいね。