カウンセリングについて メッセージ

『人の心を扱う仕事』についてカウンセラー歴11年の私が常日頃思っていること

私がカウンセラーの仕事を初めて、早11年が過ぎ、12年目に突入しました。

カウンセラーという職業を選んでから今までずっと、『人の心』という目に見えないものを扱っている仕事の難しさというものを感じて来ました。

 

カウンセラーってね。
自分の発した言葉で、人の人生を簡単に左右してしまう可能性がある。

そのくらい責任のある仕事です。
だからこそ、学ばなきゃいけない。自分がもっともっと理解しなきゃいけないんです。

 

 

世の中には、目に見えないものを扱う商売……
カウンセラーを始め、なんちゃらセラピストや占い師、スピ関係もそうかな。

そういった仕事って、ものすごく簡単にできると思われているのか、ちょっと簡単に一日講座を受けて、わかったつもりになってやってしまっている人が本当に多い。

そんな光景を度々見ると、本当に残念でならないんです。

 

人の言葉や動きからわかる心理(心理学ではなく心理です)。
本人が気づいているところ、いないところ。

相手が発した言葉、自分が発する言葉。

そんなことに対して敏感に受け取り、理解しようと努力し、そして言葉を返す。

そういったことが本当に直感的にできるようになるには、何年もかかると思います。

誰だって初心者……。
最初はうまく行きません。それは当然のこと。

でも、学ぶ姿勢がどれだけあるかってことがとっても大事だと思うのね。

 

私は今年、また一年掛けてアウトプットしたいことをインプットし直します。

それが正しいとか言いたいんではないですよ。
私が特別頭が悪いからインプットし続けなくてはいけないのかもしれないし。

でも長いこと、アウトプットばかりし続けると、どこかで少し間違っても気づかなくなってしまうの。
だから、その答え合わせのためにも、同じことでも聴くことっていうのはとても大切だと思うんです。

 

心のことって見えないから、いくらでも言いようがある。
人をその気にさせることってとても簡単だと思う。

でも……私が声を大にして言いたいのは、

一度や二度、ちょっと勉強したからってわかるものではない
ってこと。

それだけは確実に言えます。

 

人は忘れる動物です。

聴いたときにわかった気になっても、全てがわかるなんてことはない。
その証拠に、私はカウンセリングに一ヶ月のメールサポートを付けているんだけれども、
「んー、それは話したよね?」
っていうこともまた聞かれる。

中には、
「そこまで落として帰っちゃった?」
と思うくらい、全てをお持ち帰りいただけなかったことがとっても残念に思う人もいるくらい。

 

その人が特別物忘れが激しいとかじゃない。

人は、まず自分が理解したいところしか理解しない。
知らないことを聞いたら、すんなり入ってくるところしか受け入れられない。

だから何度かお話して、やっと「あー、そういうことですね」となることも少なくない。

 

瞬時に「私、変われるかも!」なんていうのは、洗脳でしかない。

自分で考えて自分で問題を解決し、自分で人生を変えて行くのはそんなに簡単じゃない。

問題解決があっさりできるなんて思い込み。
そんな思い込みを簡単にさせて、「これで簡単に人生変わるでしょ?」なんて思い込ませてしまうのは、私は罪だと思う。

 

そのくらい、人の心を扱う仕事というのは、とても繊細で、とても難しくて、とても責任のある仕事なのだと私は思っています。

 

私は最初に言った通り、カウンセラー業を始めて12年めに入りました。

今でもクライアントさんとお会いするときは、どんなときでも緊張します。

今度はもしかしたら、その人の苦しみの種をみつけてあげられないかもしれない……
いつもいつもそんな恐怖感があり、だからこそ、一言でも聞き逃さないようにお話を伺います。

昔より今の方が、『人の人生を変えてしまうかもしれない仕事』ということに関して、恐怖心と不安感と、そして責任感を強く感じています。

だから日々努力するんです。
毎日考えているんです。

 

見えないものを扱うのって本当に簡単です。

一日習えば、すぐにもできるようになって、他人様(ひとさま)に
「こうすればあなたも人生が良くなるのよ!」
なんて言える人になっちゃいたくなるかもしれない。

でもそれは大きな間違いだし、思い上がりです。

 

見えないものだからこそ、丁寧に慎重に、そして大切に扱っていただきたい。

人に言葉を掛ける仕事をしている人は、みんな、
自分はとても大切な、他人様の人生を扱っている仕事なんだ
ということを忘れず、真摯に向き合わなければいけない。

私は心底、そう思います。

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