親子問題の相談を受けていると、きちんと叱ることができていないお母さんが多いことに驚きます。
あ、申し遅れましたが、私、長いこと家庭問題専門のカウンセラーをしていて、離婚・夫婦問題のほか、親子問題も多数のご相談をいただいています^^ (←知ってるよ!とか言わないでー!)
お母さん、子育ては真剣勝負ですよ。
子どもを叱るというのは、真正面からきちんと向き合わなきゃいけません。
きちんとできていますか?
子どもをきちんと叱ることができるようになるために、心掛けたいことを書いて行きますので、ぜひ、自分の叱り方はどうなのか見返してみてくださいね。
『怒る』と『叱る』の違い、きちんとわかっていますか?
このことは最近よく言われていますので、多くの人がわかっていると思いますが、『怒る』と『叱る』……何が違うかわかりますか?
『怒る』は自分の感情に任せて相手にぶつけること
『叱る』は子どもの今後のことを考えて、きちんと教えようと思って伝えること
一番の違いは、自分のためか相手(子ども)のためか
です。
きちんと叱るためには感情的になってはいられません。
そうは言ってもお母さんだって人間。
時には疲れていて感情に任せて怒鳴ってしまうこともありますよね。
そのときはその時できちんと反省すればOK。
でも基本は、『きちんと子どもに正しいことを教えるために叱る』ことができるように心掛けましょうね。
何がいけないのか、きちんと説明できていますか?
お母さんが叱ること……何がいけないかをきちんと説明していますか?
子どもは
「早く寝なさい!」
「早くしなさい!」
「片付けなきゃダメでしょ!」
と言われたって、なんでそうしなきゃいけないかわかりません。
お母さんは、その叱っていることを論理的にきちんと
「どうして早く寝なければいけないのか」
「どうして早くしなければいけないのか」
「どうして片付けなきゃダメなのか」
を、子どもに説明できますか?
説明できないことを感情的に怒ってもダメです。
よくある「静かにしないとお医者さんに怒られるよ!」なんて言うのは言語道断というのはもうわかりますよね?
病院でうるさくしていたら、なんで静かにしなければいけないのかをきちんと教えないといけないんですよ。
叱るには叱るだけの理由が必要なんです。
きちんと論理的に説明できることだけを自分の中の『叱ること』リストに入れて、それをきっちり叱っていかなければいけません。
日によって同じ内容でも叱るときと叱らないときがありませんか?
感情で怒っていると、日によってそれが許せる日と許せない日ができてしまうことがあります。
お母さん……一度叱ったことは、その次のときもきちんと叱っていますか?
今日は叱るけど、次に同じことを見てもまぁいいや……なんてことがあると、子どもはどんどん親を信用していかなくなり、結局言うことを聞かなくなります。
一貫して、叱るものは叱る。
まぁ、いいやと見逃すものは見逃す。
その日の気分ではなくて、お母さんの中にその判断基準はできていますか?
突然怒り出したりしていませんか?
何かを見つけたら突然「キー!」と怒鳴る……
なんてことをしていませんか?
突然怒鳴ったって、子どもは驚くだけで何が悪かったのかわかりません。
怒られたことはしなくなるかもしれませんが、それは
「してはいけないということを理解した」
のではなく
「怒られない(怒鳴られない)ないためにしなくなった」
だけなのです。
我が家では3回ルールを適用しています。
一度めは怒ることはしません。
「これ、きちんと片付けなさいよ」
「これ、やっておきなさいよ」
など、静かにいいます。
3回ルール適用はきちんと
「3回同じことを言われるようなことがあったら、そのときはドカン!って怒る(叱る)からね」
と子どもに告げておきます。
その上で
「はい、2回めだよ。次はないよ」
と予告し、それでもやっていなかったらそのときは
「いい加減にしなさいよ!」
と真剣に叱ります。
一度目に静かに言うようにすれば、その時に「なんでいけないのか」を説明することもできますね?
3回ルールを適用すると、怒鳴ってばかりいなくて済む親の方も楽になるのですよ。
試してみてくださいね。
いつも甲高い声でガミガミと怒鳴っていませんか?
子どもを叱るとき、いつもいつも同じトーンの高い声でガミガミと怒鳴っていませんか?
その声……いい加減、子どもは慣れてしまっているんじゃないですか?
だから言うことを聞いてくれないんじゃないですか?
毎日のように高い声でガミガミ言っていても、子どもはどんどん慣れて行きます。
うるさいのが嫌で、部屋に逃げて行くかもしれませんが、自分がしたことを悪いと理解しているのではなく、ただうるさいからものから解放されたいだけなのです。
本当は、子どもをきちんと叱りたいと思えば思うほど、低いトーンで話さなければいけません。
お母さんのガミガミ声には慣れちゃっているけれど、お父さんの言うことはきく……というのは、お父さんの怒鳴り声が怖いからです。
人が怖いと感じるのは、高いガミガミ声ではありません。
低いドスのきいた声です。
きちとん叱る……と思ったときは、できるだけ低い声を意識してください。
叱ったときに言ったことをきちんと実行していますか?
子どもを叱るときに
「いつまでも片付けなかったら捨てちゃうよー」
と言いつつ、結局親が代わりに片付けている……なんてことをしてませんか?
捨てると言ったら捨てるんです。
親が言うことを実行しないのに、子どもが自分で「やる」と言ったことをやらなくてもいいと思うのは当然のことです。
子どもが「あとで片付けるから」と言ったことをきちんと実行させたいのであれば、親も自分が口にした言葉は実行しなければマネはしてくれません。
「買ってあげない」と言ったら買わない。
「捨てる」と言ったら捨てる。
本当にやるようになると
「うちの親は本当にやるから、ものすごく怖い」
と言うようになります(←うちの娘ですがw)。
やらないなら、言わないことです。
やるならいことを脅しで言うだけでは、親は単なる嘘つきです。
子どもの顔色を伺って負けていませんか?
子どもが拗ねると、子どもの顔色を伺って結局こっちが折れてしまったりしていませんか?
子育てはいつも真剣勝負。
しかも絶対に親が負けてはいけないんです。
だって、親は子どものためを思って叱っているんですからね。
なのに、子どもの顔色を伺って、こっちからご機嫌取りをするなんて言語道断なんです。
でも以外に「子どもが拗ねちゃうから」って子どものご機嫌取りをしているお母さんって多いんですよね。
あなたが親なのですよ?
親は、子どもにとってこの世で一番怖い人でなければならないんです。
(できてない人が本当に多いですが)
でもそれは常日頃から親は怖いと植え付けなければいけないというのではなく、「この人を怒らせたら怖い」という怖さです。
気分で怒り出したりするのとは訳が違うので、自分の叱る内容はきちんと理論的に話せないとダメだということは念頭に置いておかなければいけませんよ。
世の中で一番怒らせたくない存在でなければいけないんですよ。
なのに、子どもに甘く見られている親って本当に多い。
それは愛情でも何でもありません。
最近では親友親子とか言われてい現象もあるようですが、本来、親子は親子。
きちんとした縦関係でなければいけないのです。
仲良くするのと友だちのようにいるのとでは全く違います。
子どものためを思うのであれば、きちんと叱れる親にならなければいけません。
子どもへの愛情をきちんと示していますか?
私の叱り方はかなり怖い叱り方です。
怒鳴るときは、思いっきり怒鳴りますから、以前、娘の友だち同士のいざこざに娘も巻き込まれてしまい、友だちのお母さんが家に来て話をしていたとき……
私が
「どうして子どもを叱らないのですか?」
と私が聞いたらそのお母さんは
「え? だって……」
と言葉を濁したので
「私はもし娘がそんなことをしたら思いっきり叱り飛ばしますけどね」
と話していたら、隣にいた娘は私のこの言葉を聞いただけで勝手に縮み上がったそうです(笑)
この騒動、娘は何も関係なくて、娘が叱られることは何もないのに……(笑)
私が「思いっきり叱り飛ばす」と言ったら、自分が叱られたシーンを思い出して、ゾクッとしたそうです。
そのくらい、私が本気で叱るときは、本当に怖いです。
それでも娘は
「母が言うことは間違っていない」
「母が私を叱るのは愛してくれているからだ」
と理解してくれていますし、そう言葉でも言ってくれます。
もちろん、そう言ってくれるようになるには十数年の時間が掛かりましたよ。
娘は決して育てやすい子ではなく、反抗期もありましたから、小学校高学年から中学校に掛けてはずいぶんと戦いました。
でも、どんなにガツンと怒鳴っても、そのときには必ず
「母はあなたを愛しているから言うんだよ。
母はよその子には興味ないから、よその子はどんな風に育ってもいいから言わないの。
でも、あなたには責任があるからね。
どんな風に育ってもいいとも思っていないからね。だから叱るんだよ。」
と伝え続けて来ました。
だから娘はきちんと私が叱る行為は愛情あってこそなのだと理解してくれるようになったのです。
叱る=怒るだと、子どもはそのように理解してくれません。
きちんと『相手(子ども)のため』に毅然とした態度で叱り、
「あなたを叱るのは愛情あってこそのことなのだ」
ということを子どもに伝え続けてください。
自分がしたことで人かどう感じるかを教えられていますか?
親が子どもに正しいことを教えようとすると、
「○○してはいけない」
ばかりを強く教えようとします。
ですが、本当に教えたいことは
「あなたがそうすることで、された人はこう思うんだよ」
ということです。
なので、お母さんは是非、子どもがしたことで自分がどう思ったのか……
「あなたがこうすることで、お母さんはこう感じたんだよ」
ということを話してあげてください。
子どもの言い分、ちゃんと聞いていますか?
子どもがやることには、必ず理由があります。
その理由を聞かずに、頭ごなしにガミガミ言っているだけじゃありませんか?
中には、大人が思いもつかない思いやりの行動だったり、子どもが問題行動を繰り返す理由が何かを訴えていたりなど、大人が想像もつかないような理由だったりします。
何を考えてその行動をしているのか……
子どもの声もちゃんと聞いてあげてください。
それが『コミュニケーション』です。
まとめ
子育ての悩みを聞くと、一番「腹を据えて子どもと向き合ってきちんと叱る」ということができていないことが気になります。
「きちんと叱った?」
と聞くと、
「叱りました」
と言いつつ
「お願いだからやって」や「こうしてちょうだいね」と何故か子どもにお願いしていたり、変な形になっていることが多々あります。
子どもへの愛情が強ければ強いほど、甘やかすのではなく、きちんと教示するために叱ることができなければなりません。
子どもを叱るって、実は大変な作業です。
労力をとても使います。
でも、3回ルールを上手に用いれば毎日ガミガミする必要もないし、年に一度くらいガツーン!と行くだけで十分になります。
子どもにいけないことをいけないと教えるのは、他の誰でもない、親の役目です。
きちんと叱れる親になってください。
きちんとした叱り方をしていれば、どんなに大きな声で怒鳴っても子どもは必ずきちんと愛情として受け取ってくれます。
愛情があるから叱ってくれているんだと理解してくれます。
叱るのも真剣に叱らなければ、子どもへの愛情は伝わらないんですよ。
子どもを叱る……ただそれだけのことでも親は一生懸命考えなければならないんです。
子育ては真剣勝負。
この勝負には必ず勝たなければいけません。
それも大きな愛情を持ってね。
簡単なことではありませんよ。
子育ては何も考えずにできることではないんです。
だって、この世に人間を生み出していて、それを育てるってそんな簡単なワケがないでしょう?
犬や猫を育てるのにも悩むのに、子育てがそんなに簡単なはずがないのです。
子どもの叱り方には自信があります。
私は怒鳴るときは思いっきり怒鳴って叱って来ましたが、うちの娘は「私を愛してくれているから、叱ってくれるんだ」と言ってくれる娘に育ちましたよ。
子どものきちんとした叱り方がわからなかったら、是非ご相談くださいね。